IT企業から一転、昆虫食事業へ。私たちがコオロギの養殖を「長野県」で始めた理由

長野県でコオロギの養殖事業を展開する株式会社CricketFarm(以下、クリケットファーム)。創業して半年ほどの当社ですが、実はその母体は北海道でブロックチェーン事業に取り組んでいる「INDETAIL(インディテール)」というIT企業です。IT分野の企業が、なぜあらたに昆虫食のスタートアップを立ち上げるにいたったのか、そしてなぜ長野県という地を選んだのか、私たちクリケットファームの生い立ちをご紹介します。

代表坪井は、ブロックチェーンでは名の知れた存在

クリケットファームの母体であるINDETAILを創業したのは、現クリケットファームの代表も務める坪井大輔です。2009年に札幌にてIT企業を創業し、スマホアプリ開発、ソーシャルゲーム運営、ブロックチェーン開発とその実績を着々と積み上げ、4度の事業売却も経験。その売却額は総額14億円に上り、坪井はシリアルアントレプレナーとして大きな成功を収めてきました。

中でもブロックチェーンにおいては実証実験を複数実施し、ときには官民一体となって地方が直面する社会課題と向き合い、テレビ局や地方自治体からも注目を集めました。また2019年に発売した自著「WHY BLOCKCHAIN なぜブロックチェーンなのか」は、Amazonにおいて「経済学」「投資・金融・会社経営」カテゴリでベストセラーを獲得するなど読者の皆様から高評価もいただき、ブロックチェーン業界では知られる存在となっていました。

突如、事業を転換。長野県へ移住し、コオロギ養殖をはじめる

IT畑を誰よりも足早に駆けているように見えた坪井ですが、2021年、ブロックチェーン以外の事業をリセットし、突如、コオロギの養殖事業に着手します。その背景には世界的な人口増加がありました。日本では人手不足が社会問題になるなど人口減少が叫ばれていますが、世界全体としては人口は増加傾向にあります。そうなると問題になってくるのが食糧危機です。中でもタンパク質不足への懸念は大きく、家畜を育てるための穀物価格の高騰や急激な人口増加に伴い、近い将来、世界的な動物性タンパク質の不足が起こると言われています。そこで坪井が着目したのが、動物性タンパク質の新たな選択肢となる「コオロギ」でした。

これまでIT企業の拠点としていた北海道を離れ、長野県へ完全移住。コオロギ養殖のためのクリケットファーム本社および工場の設立を行い、2021年8月11日、私たちクリケットファームは長野県岡谷市に誕生いたしました。

なぜ、岡谷市なのか? かつて世界的に知られた「OKAYA」という町

長野県岡谷市は、 明治から昭和初期にわたり世界に名を馳せるほど生糸の町として有名でした。桑で蚕を養殖し、その繭から作られる良質な生糸は、京都の西陣の着物に用いられるなど高い評価を得ていました。そして日本の鎖国が明け、1859年に横浜港が開港されると岡谷の生糸は瞬く間に世界中へ広まり「SILK OKAYA」とまで呼ばれるようになります。この製糸工業の急拡大に伴い、岡谷市は工業都市としても急成長を遂げることになるのです。

そんな蚕で栄えた歴史を持つ岡谷市ですが、岡谷市のある長野県・諏訪地域では古くより昆虫を食す文化が根付いており、蚕のさなぎをタンパク源として食してきました。

私たちクリケットファームが岡谷市を拠点に選んだ理由はまさにここにあります。

古来より昆虫食文化が受け継がれてきたこの町に大きな敬意を払いつつ、その胸をお借りし、令和の時代だからできる新たな昆虫食の養殖に挑戦していきます。INDETAILグループとしてこれまで培ってきた先進技術のノウハウを注ぎ込み、IoTを活用したクラウド管理型のスマート養殖システムを構築し、確実に、丁寧に、コオロギを育て上げることのできる養殖スタイルを確立していきます。かつて蚕の養殖で世界的な発展をした岡谷市を、再び虫の力で発展させられることを夢見て、私たちクリケットファームはこれからもコオロギと向き合い続けていきます。

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